デジカメが登場した1996年当時のPCには、メモリーカードリーダーが搭載されていなかった。そもそもPCにUSBポートがないことも多く、デジカメからPCに写真を取り込む方法は、PCカード(PCMCIA)接続のカードリーダーやRS-232Cがメインだった。そこで開発されたのが「メモリーカードをフロッピーディスクの形状に変換するアダプター」だった。
スマートメディア(SM)、メモリースティック(MS)、マルチメディアカード(MMC)/SDカードに対応するバリエーションがあった。
基本的に約1.44
MB(2HDの場合)に容量がとどまったFDに対して、SMではすでに4MBが流通していたことから、写真の取り込みだけでなく、より容量が大きいFDとしてPC間のデータ移動にも使うことができた。
2002年頃からメモリーカードリーダーが普及しはじめたため、徐々に使用されなくなり終息した。
フロッピーディスクをエミュレートしているわけではなく、独自プロトコルで通信しているらしい。ドライブの回転を止めて通信しているため、フロッピーディスクにあったハブ(中心の固定金具)は存在しない。
使用するためにはコイン型リチウム電池
(CR2016) が2個必要。
専用デバイスドライバーをインストールしなければ使用できない。
SM-FDアダプターはSmartDisk製アダプターのOEMのようで、ドライバーはどのアダプターでも共通で使用できる。
Windows 95(EPSON PC版、FM TOWNS版)での動作には言及されておらず、マルチプロセッサPCとRISC CPUには非対応。Windows NT 4.0/2000/XPにインストールする場合、3モード (1.2 MB) での使用ができなくなる。
Windows | PC/AT互換機 | PC-9821シリーズ | その他 |
---|---|---|---|
95/98/Me | ○ | ○ | ? |
NT 4.0 | ○ | × | × |
2000/XP | ○ | × | × |
Mac OSの場合は7.5.1~9.1に対応しているとされる。Power Macintosh (PowerPC) 専用。読み込み専用で、フォーマットや書き込み、消去には非対応。
対応するMSの記録容量は4MBしか明記されていないが、最大128MBまで対応しているらしい。
当初はPC専用で、デジタルマビカには対応していなかった(MVC-FD5では無理だがFD7以降では非公式に対応)が、第二世代のMSAC-FD2Mとセットで発表された機種 (MVC-FD95/90/85) 以降は、アダプターとデジタルマビカを組み合わせた使い方に公式に対応。
SM・MMC用のアダプターと違ってFlashPathのロゴが記載されていないが、MS-FDアダプターもFlashPathシリーズ。
型番 | 販売元 | 対応メディア | 発売時期 |
---|---|---|---|
MSAC-FD1 | ソニー | MS 4MB ( - ?) | 1999 |
MSAC-FD2M | ソニー | MS 4MB ( - ?) | 2000 |
RFD-FP | バッファロー | SM 32MB? | |
FS-A10 | リコー | SM 32MB | 1998 |
FS-B10 | リコー | SM 128MB | 1999 |
MAFP-1 | オリンパス | SM 32MB? | 1998 |
MAFP-2 | オリンパス | SM 32MB? | 1999 |
FD-A1 | 富士フイルム | SM 32MB | 1997 |
FD-A2 | 富士フイルム | SM 128MB | |
CU-V41 | Victor / JVC | SD/MMC 64MB | 2003 |
VW-MAF1 | Panasonic | MMC | 2000 |
FPSD-ADP | I・O DATA | SD/MMC 64MB | 2000 |
FPFDC-ADP | I・O DATA | SM 32MB? | |
FPFDC2-ADP FPFDCII-ADP |
I・O DATA | SM 128MB | 1999 |
HPC-FP02A | ハギワラシスコム | SM 128MB | |
M-950FD2 | HITACHI | スマートカード | |
HX-950FD2J | HITACHI | スマートカード |
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